肘部管症候群

肘部管とは・・・

肘関節内側の指で叩くと小指に痺れ(痛み)が生じる部位を医学的には「肘部管」と言います。上図の黄色の線が尺骨神経ですが肘の内側部でこの肘部管を通過します。

 

肘部管症候群のメカニズム

尺骨神経は、尺骨神経溝という上腕骨にある下端の骨の溝を走ります。肘を曲げた状態では、尺骨神経は、引き延ばされ、この骨の溝にこすり付けられる状態になります。また、表面には、薄い皮膚があるだけですから、外からの圧迫が直接神経に作用します。尺骨神経の弱点ともいうべき場所です。骨折による変形がある場合には、この変形して飛び出した骨に神経がこすり付けられて障害されます。また、この尺骨神経溝の先には、筋膜でできたトンネルの狭い入口があります。ここで神経が締め付けられて障害されることもあります。

原因

神経を固定している靱帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫

加齢に伴う肘の変形

骨折による肘の変形

野球や柔道などのスポーツ障害

治療

保存療法・・・

肘の安静(テーピングなど)及び肘の使い方の指導

手術・・・

神経の緊張が強い場合には、骨をけずったり、神経を固定するバンドを切って神経を前方に移動する。ガングリオンなど圧迫物の切除